設立趣旨書



インターネットによって私たちは距離、時間、職種、年齢、組織、国などの障壁を超えて自由にコミュニケーションできるようになりました。しかしその一方では、技術の利用や教育を受ける機会の格差、失業による将来への不安、技術の安全性に対する不信感、地域社会の低迷、孤立感など新しい形のコミニュケーション問題が生じていることも事実です。
こういった混乱や不安を取り除き、豊かな生活や真に満足できる人間の生き方を実現するための科学技術やその研究開発については、方法論そのものが新しい研究課題となっています。一つの方法として、最先端の科学技術をもっと私たちの日常的距離に引き寄せ、プロの研究者や技術者と連携しつつ、それぞれが自分の生活を楽しみながら自分の出来る範囲で問題解決に参画する、それがそのまま全体の幸福につながる仕組みを作ることが考えられます。例えば、(1)国内外の各分野の研究者や技術者が地域住民と連携する仕組み、(2)そこに子供、高齢者、フリーター、仕事の見つからない学生やポスドクなど様々な人たちを巻き込みつつ、従来の学問領域にとらわれない横断的かつ流動的な研究組織を各地に作る仕組み、(3)各自が余暇の範囲でそれぞれ楽しみながら問題解決を目指す仕組み、といったものです。
これは、各地域で多様な夢のある萌芽的研究を育て、子供たちには最先端の科学技術研究に触れる「生きた教育」の場としても有用でしょう。また多様な人々の多様な価値観に日常的に触れることは、「いじめ」や「引きこもり」を生み出す「横並び主義」や「社会的閉塞感」の弊害を防ぐ場として貢献できることも期待されます。当団体は、このような研究・普及活動を通じて、豊かで多様な社会の創造に貢献することを目的とします。
1996年12月に複雑性議論集団(DGC)として発足して以来、上記趣旨のもと幅広い活動を続けてきました。特定非営利活動促進法に基づく法人格を取得することにより現在の活動基盤をさらに充実させるため、1999年5月のシンポジウムにおいて、法人化問題に関する本格的な検討に着手しました。その後、2000年3月のシンポジウムでは、NPO法人化の申請に向け、定款や事業計画等の準備を開始することを決定いたしました。さらに、同年5月には設立準備委員会を発足するとともに、特定非営利活動法人ディージーシー基礎研究所の設立を決議、同年11月からは設立申請に先行したパイロット事業として北海道河西郡芽室町の先進的IT農業者グループ「未来農業集団」の立ち上げと運営サポート、2001年8月同町で地域一体型学際研究集会「馬と科学者・或いはシステムの交信」の開催に成功するなど、一定の実績を納めたことを受け今次の申請に至ったものです。
NPO法人DGC基礎研究所

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